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2009年4月 9日 (木)

史実と真実

おはようございます。

作・演出、マツガエです。

昨日、チーム・ブルーの初日が明けました。

たくさんの失敗とたくさんの収穫がありました。

今日からは、怒涛の14公演。

昨日の失敗を今日の糧にし、

さらに研ぎ澄まされたものを提供したいと思っています。

今回「偽伝、ジャンヌ・ダルク」

いろいろな人に言われるのですが

史実部分が意外に多いとの印象らしいです。

それはその通りで

実際、僕のした仕事は編集に近いのかなと思っています。

15世紀フランスの表と裏を撮影した膨大な量の記録映像があるとして、僕はそれを全部見て、それを1時間半に再編集したという…そういう作業に近いのかなと思っています。

「偽伝」とは言いながら、僕の基本姿勢は、わかる範囲で嘘はあまりつかないということでした。

編集上必要なウソと自分が認定したものだけはウソをつきました。

たとえば、ジル・ド・レは叔父のラ・トレムイユに引き取られたわけではありません。実際はお爺さんのところに引き取られ、そののち叔父のラ・トレムイユのところに行くようになるわけです。が、ジルのおじいさんは本当にゴウツク爺でラ・トレムイユにそっくり(僕の印象ですが)なので、僕は簡単化のため、おじいちゃんをすっとばし、ジルはラ・トレムイユに引き取られたとしています。許されるウソ、あるいは必要なウソであろうと思っています。むしろこのウソによって、ジルのトラウマが明確になるのだろうということです。

ピエール・コーションについては、資料がすくなく苦労をしたのですが、いくつかの断片的な情報を意外なところから手に入れたので、それをつなぐ形で人物を作り上げました。とくに彼は処刑裁判によってジャンヌ・ダルクを断罪した張本人であるので、右と左の意見に隔たりがあり、まるで二重人格であるかのようにとらえられます。が、心を澄ませてみてみると、浮かび上がってきた人物像と言うのが、今回描いたピエール・コーションです。今度じっくりピエール・コーション物語を書いてみたいほど、興味深い人物です。彼が若き日に、カボシュの乱の策謀に加わっていたのが、彼の人物像を作るにあたって重要な部分となっています。また彼がランスに生まれ育ったということも大きいです。教会分裂やジャン・ジェルソンの話なども彼の人生を考える上で非常に役に立っています。

今回、そういう意味では、フランス史を専門にされている方にも見ていただけるような確固たる史実に基づいていると胸を張って言えます。

とはいうものの、歴史を知らない人にも楽しんでもらえるはずです。

これは編集の力であるとともに、少人数で演技していることのメリットですが、要は人間関係だということです。

ホワイトの初日に来てくれた丹野監督には、「フランス史的な部分についてはちんぷんかんぷんだったけど、ストーリーは面白く見れた」と言っていただけました。むしろ「フランス史的な説明はいらないんじゃない?知らなくてもわかるし」いわく「仁義なき戦いだね」。結局、膨大な資料の中から僕が抜き出したのは、ある一つの普遍的な物語であり、それはブルゴーニュとかブルターニュとかシャルルとかジルとかジャンとかジャンヌとかそんな細かいことはどうでもよく、抽象化された人間関係、あるいは人間こそが僕の描きたいものであり、つまり、名前をゼロにしてもかまわないということだなとあらためて思いました。

これ実は「ルドンの黙示」のときにもぼんやりと思っていたことです。役者の肉体の一貫性を信じられるならば、名前はどうでもいい。マリアでもマレアでもなんでもいい。むしろ紛らわしい名前であればあるほど、肉体の一貫性を信じなければいけなくなり、そこに芝居を研ぎ澄ます契機がある。ということです。

言葉にとらわれる人は、たぶん、今回の「偽伝、ジャンヌ・ダルク」のスピードに追い付けずに、頭脳がオーバーヒートしてしまうでしょう。ですが、役者と言う肉体を追う者は、きちんとラストまで付いてこられるはずです。そしてそれにはかなり成功しており、アンケートにはわかりやすいという言葉が乱舞していました。こんなにも他人の国、他人の歴史に忠実なのにです。僕のたくらみの一つは成功しているといえるでしょう。

ぜひとも、そういう観点からも、この芝居をご覧いただけるとうれしいです。

本日入れて、まだ14公演あります。
ぜひ。

池袋シアターグリーンでやっています。
(以下の時間は開演時間です。ブルー、ホワイトはキャストの違いです。内容に違いはありませんが、印象はかなり違うように思います。)

4/9
16:30ブルー
19:30ホワイト

4/10
16:30ホワイト
19:30ブルー

4/11
13:30ホワイト
16:30ブルー
19:30ホワイト

4/12
13:30ブルー
16:30ホワイト
19:30ブルー

4/13
16:00ブルー
19:00ホワイト

4/14
16:00ホワイト
19:00ブルー

それからご観劇後はよろしければアンケートにご意見ご感想をご記入ください。コリッチへの書き込みなどもよろしくお願いします。初日に来ていただいた、らいむすとーんさんには早速感想をいただきました。ありがとうございます。励みになります。がんばります。では池袋で会いましょう!

CoRichへの書き込みは次をクリック。
(PCから)http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=9146
(携帯から)http://www.corich.jp/m/s/stage_detail.php?stage_main_id=9146

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「偽伝、ジャンヌ・ダルク」

2009年4月7日~4月14日

池袋シアターグリーン・BASEシアター

詳細情報はこちら
 ↓
http://www.alotf.com/
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=9146

学生特割はじめました。
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◎学生特割(受付で学生証提示)
前売1,000円
(現役中学生・高校生に限ります)

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